Heidelberg Retina TomographⅠⅠの使用経験

摘要

緑内障臨床における普及型視神経乳頭解析装置として開発されたHeidelberg Retina Tomograph（HRT）ⅠⅠプロトタイプの有用性を検討した．正常有志者10例10眼と，岐阜大学病院眼科で経過観察中の緑内障患者18例18眼を対象とした．対象眼に対して同一検者が同一日に画角15~0でHRT ⅠⅠ，画角10~0でHRT（version 2．01の画像を3回獲得し，両装置における測定の再現性（各画素間の標準偏差）を検討した．また，両装置で得られた各主要乳頭パラメータ（disc area， cup area， cup/disc area ratio， rim area，cup volume， rim volume， cup shape measure，の相関関係を検討した．HRT ⅠⅠおよびHRTで得られた平均画像の各画素間における再現性（平均値(+-)標準偏差）は各々17．5(+-)7．6mum ，19．3(+-)9．6mumであり，両装置間で有意差はなかった．両装置で得られたすべての主要乳頭パラメ－タにおいて，統計学的に有意の強い正の相関があった（r=0．86~0．98， p＜0．01 ）．HRT ⅠⅠは現行の装置と比較しても，高い測定再現性と乳頭パラメ－タの信頼性を持つものと思われた．