心原性脳塞栓症に対する超選択的局所線溶療法の適応と限界

摘要

心原性脳塞栓症に対する超選択的局所線溶療法の適応例と適応外とした症例を提示する。 局⒗?】70歳，男性。 既往：1999年8月8日夕方に突然の右片麻痺，失語が出現。 発症1時間後，近医でのCTにて異常所見なく，発症2時間で当院に搬入。 NIHStroke Scale（NIHSS）18点。 画像所見·臨床経過：SPECTでは対側比約60％（写真1）。 diffusion MRI（dMRI）では穿通枝領域に病変があるものの，皮質領域には認められなかった。 血管撮影で左中大脳動脈の塞栓性閉塞を認め（写真2上段），局所線溶療法の適応としたり。t－PA400万単位を局所注入することにより，ほぼ完全再開通が得られた（写真2下段）。 治療翌日には症状改善。 9日目MRIでは，梗塞巣が残るも皮質領域が保たれ，臨床経過は良好。