皮脂欠乏性皮膚炎に伴うかゆみに対する塩酸フユキソフエナジンの効果－塩酸オロバタジンとの比較検討－

摘要

皮脂欠乏性皮膚炎は，皮膚表面の乾燥を端緒として二次的に湿疹·皮膚炎が進行増悪したものである。 中年から高齢者に多くみられ，秋から冬の乾燥する季節になると周期的に症状が発現し，春になると改善するという治癒と悪化のサイクルを繰り返すことが多い。 原因としては，加齢による皮膚表面の皮脂分泌量の減少など，皮膚機能が低下したところに，最近の住宅の気密化，暖房設備の充実による皮膚の乾燥，入浴時の石鹸による強い洗浄，長時間こたつに入るなどの生活習慣が増悪因子となる。