急性下壁心筋梗塞後の重症心室性不整脈から蘇生し，その後に合併した急性呼吸窮迫症候群に対してシベレスタットナトリウムが奏功した1例

摘要

急性呼吸窮迫症候群（Acute RespiratoryDistress Syndrome；ARDS）は急性に発症して重篤な経過を呈する肺血管透過性克進型の肺障害で，有効な治療法が確立しておらず，多臓器不全に進展する場合には死亡率のきわめて高い病態である。 重症心疾患を扱う冠疾患集中治療室（CCU）では，発症する肺水腫のほとんどが左童機能低下に起因するが，左室拡張末期庄の上昇によっては説明できない肺水腫を合併する症例を経験することも稀ではない。