石灰沈着性腱板炎に対してエルカトニンが著効した1例

摘要

石灰沈着性腱板炎は，腱板にCa塩が沈着し急性炎症を生じる結晶誘発性腱炎·滑液包炎である。 今回，エルカトニン（エルシトニン）により症状がほぼ完全に消失し，石灰沈着の著しい縮小を認めた1例を経験したので報告する。現病歴：2007年10月，誘因なく右肩の著しい痺痛が出現，挙上困難となり発症後4日目に当科を受診。 初診時所見：右肩関節は屈曲·外転とも30反と著しい運動制限を認め，肩峰下滑液包から大結節にかけて庄痛を認めるが，局所の明らかな腫脹熱感を認めなかった。 日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準（JOA score）では29点であった。 単純Ⅹ線像では腱仮の大結節付部付近に12×5mm大の雲状の大きな異所性石灰化像を認めた。 なお骨粗鬆症は認めなかった。