進行胃癌に対する術後補助療法としてのM ethotrexate/5-fluorouracil時間差投与療法

摘要

24例のステージⅠⅠⅠⅣ(総合的進行程度)進行胃癌に対して,フツ化ビリミジン系経口剤を併用したM F療法を術後補助療法として用い,その意義を検討した.進行胃癌症例の内訳は,根治度A が1例,根治度Bが10例,根治度C が13例であつた.投与方法は,M ethotrexate(MTX)100m g/bodyを投与,その1時間後に5-FU500m g/body を投与した.フツ化ビリミジン系経口剤は連日投与した.M F施行症例の予後を胃癌分化度から検討した.未分化型胃癌症例の2年生存率52.9%,分化型胃癌症例では38.1%であり,未分化型胃癌症例で有意差はないが術後生存率が高かった.同時期にM F療法を施行しなかった胃癌症例　 の比較ではStageIVa,IVb症例の未分化型胃癌症例に限って術後生存率を比較した場合,M F療法施行症例の予後が有意差はないが良好であった.さらに,対象症例の内で癌性腹膜炎発症後約15カ月一般日常生活が可能であつた低分化型再発胃癌のM F療法著効例も経験した.M F療法は副作用が比較的軽< ,外来でも継続投与可能であり,未分化型進行再発胃癌患者の0 0 L改善に役立つものと考えた.