DNAメチル化を分子指標とした造血障害の病態解析

摘要

DNAメチル化は女性におけるⅩ染色体の不活化に深く関与しており，以前よりアレル間のDNAメチル化の差を利用してⅩ染色体の不活化パターン（XIP）が調べられている。 そしてその結果はクロナリティー解析に応用され，血液疾患を含む色々な疾患の病態解析に利用されている。 骨髄異形成症候群（MDS）などの造血疾患では血液細胞のタロナリティーの有無が病態を考える上で重要であるが，不活化の偏りを示す健常人の存在や， Agingによる不活化の偏りの増強などが指摘されており，これらの方法の造血疾患への応用を考える上で，クローン性をどう判定するかが問題となってきた。