随時尿を試料とする細胞内グルココルチコイド活性化指標－メタボリックシンドロームや糖尿病の病態把握のための新規診断マーカーとしての意義－

摘要

メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満を基盤として耐糖能異常，脂質代謝異常，高血圧，脂肪肝などの代謝障害が重積する病態であり，動脈硬化性疾患の主要なリスクファクターの一つである．過栄養，運動不足，ストレス過剰，高脂肪食過剰摂取という生活習慣の変化に伴って我が国においてもメタボリックシンドロームの発症（有病）頻度は急速に増加しており，病態把握や治療効果判定，予後予測に応用できる簡便な非侵襲的マーカーの開発が強く期待されている．