上皮性卵巣癌に対するCarboplatin腹腔内投与およびPaelitaxel静脈内点滴投与の有用性

摘要

卵巣癌はしばしば直接浸潤あるいは播種により早期から腹腔内各所に進展する.そこで，術後の遺残あるいは再発病巣が腹腔内に限局している例に対し杭がん剤の腹腔内投与法（IP)が数十年 前に提唱されたu.シスブラチンやパクリタキセ ルなどの薬剤は腹腔内投与された場合，明らかな薬物動態学的な優位性を有する.すなわち柽 静脈投与（IV)された場合に比べより高濃度の薬剤がより長時間にわたって腹腔内で維持される.例えばシスブラチンではIPによりIVの10~20倍の濃度の薬剤が腹腔内に暴露されることが報告されている.このように高濃度の薬剤が長時間にわたって腹腔内で維持される抗癌剤のIP投与は理論的には腹腔内病変に対しIV投与よ りも優れた効果が期待できる.また，腹膜から全