再発·難治性骨髄腫に対する治療戦略と新規薬剤のさらなる開発

摘要

多発性骨髄腫（multiple myeloma,以下MM)は，骨髄を主たる病変としM蛋白を産生する多発性の形質細胞腫瘍である1'2)。臨床的には，高カルシウム血症，腎障害，貧血，骨病変，その他（過粘稠度症候群，アミ口イド一シス，年3回以上の感染症合併）などのCRAB (O)症候(end organ damage/related organ impairment) が存在する場合に症候性骨髄腫（symptomatic MM)と定義し，全身化学療法の適応となる。本邦におけるMMの罹患率は10万人あたり3.5人/年と推定されており，2007年には4,021人がMMで死亡している。