著明な牌腫と血球減少を伴いリッキシマブ併用CHOP療法でcompleteresponseが得られた原発性マクログロブリン血症

摘要

症例は62歳男性。末梢血リンパ球増多と貧血，巨大脾腫にて当科を紹介された。末梢血と骨髄でリンパ形質細胞の増殖を認め，血清IgM1，150mg/dl.lgM－K型M蛋白陽性であリ，原発性マクログロブリン血症（WM）と診断した。sIL-2R 14，300U/ml.β2MG 6．2mg/Iと高値であった。腫癌量が多く進行も急速なため，aggressive lymphomaに準じてCHOP療法を開始したところ，3コースで貧血が改善し，lgM値が半減するなど，著効を認めた。4コース目からリッキシマブを併用して計8コース行い，骨髄中腫瘍細胞は消失し，牌臓は正常大となり，免疫固定法でもM蛋白が検出されなくなり，完全奏効（CR）が得られた。治療終了後1年が経過した現在もCRを維持している。WMに対しては，近年，各種薬剤の併用療法が試みられ治療成績が向上しているが，CRに至ることは少なく，貴重な症例である。