同時期に発症したバセドゥ病と自己免疫性溶血性貧血

摘要

症例は43歳，男性。 7年前より抗核抗体が弱陽性であったが臨床症状は著明でなかった症例において，バセドゥ病と自己免疫性溶血性貧血（AIHA）が同時期に発症した。 これらの疾患はメルカゾ－ルおよびプレドニソロンの投与によりすみやかに改善した。 これらの自己免疫疾患の同時期発症例の報告は少なく，貴重な症例と思われた.HLADR2，DRB1 1501およびDPB1 0501を有し，これらの疾患における遺伝的要因が示唆された。