縦隔鏡生検による肺癌リンパ節転移診断における細胞診の有用性

摘要

肺癌の縦隔リンパ節転移診断における細胞診の有用性について検討した．縦隔鏡生検50例140 stationsのリンパ節への転移の有無を捺印細胞診および組織診にて行った．両方の結果を得た後，同一病理医にて最終診断し，細胞診·組織診の診断能を判定した．細胞診では14例22stationsで転移陽性で，組織診では12例18stationsで転移陽性であった．組織診陽性例はすべて細胞診陽性であり，細胞診陽性例がすべて最終的に転移陽性と判断された．細胞診のsensitivity，accuracyはともに100％で，組織診のそれは81．8％，971％であった．縦隔鏡リンパ節生検における細胞診のsensitivity，accuracyは高く，その診断能は組織診と同等かそれ以上と考えられた．