化学療法?放射線同時併用療法終了後，早期に中枢神経および精巣上体に浸潤を来した節外性NK/T細胞リンパ腫，鼻型

摘要

症例は66歳の男性。鼻閉の精査目的に当院受診。鼻腔内腫瘍生検でextranodal natural killer/T-cell lymphoma,nasal type (ENKL)と診断された。骨髄生検，18FギDG PET/CTの結果，腔，副鼻腔，両側頸部リンパ節への浸潤が認められた。67% dose DeVIC療法とinvcplved field radiation therapyを併用し治療した。CTにて腫瘍の縮小を確認したが，療終了から1か月後に会陰部の違和感を訴えたため，超音波検査で左精巣上体の腫張が判明した。生検の結果はENKLの左精巣上体浸潤であった。また，検後に傾眠傾向となり腰椎穿刺を施行しENKLの中枢神経浸潤と診断された。治療終了後早期の浸潤であり初診時から中枢神経浸潤を伴う進行期症例であつた可能性がある。スージングの一環として腰椎穿刺による中枢神経浸潤の評価が重要であると考えられた。