SA-I機械受容ユニットの加圧-発火特性及び電気刺激-圧感覚生成特性に関する定量的検討とその医療応用-微小神経図法·微小刺激法によるコーディング·デコーディング則の検討を中心として

摘要

我々は、現在、その義手を動かす場合には、意図する事によってあたかも自分の手のように動かすことができ、また、その義肢で物に触れた場合、あたかも自分の手でふれたかのように圧や振動や温度などを感じうる、随意運動機能と感覚機能の備わった義手の開発を行なっているが[1][2]、随意運動機能や感覚機能を実現する手法として、義肢の情報ライン（電気的信号線）と生体の神経系との間で情報のやり取りを行なう、いわゆるBrain machine interface (BMI) 技術を応用している。簡単に言うと、随意運動機能に関しては、大脳皮質運動野などの中枢神経系や末梢神経系の情報を計測し、その情報から患者さhがどのような動作を行なう事を意図しているかの推定を行なう事によって義肢を操作するという方法を用い、感覚機能に関しては、その義肢で何かに触れた際の物理的刺激（圧·振動·温度など）の強度を（義手に）装着した各種のセンサを用いて計測し、この情報を生体の神経系での情報形式（実際には電気的パルス列）に変換して、対応する感覚神経系（神経線維や神経細胞）に入力してやる事によって、生体に感覚を生成させるという方法を用いているが、特に感覚系においては、微小神経図法·微小刺激法（マイクロ入ログラフィ·マイクロスティミュレーション法）という低侵襲的手法を用いて、ヒトを対象として、末梢神経活動の計測と感覚神経線維の刺激を行ない、触·圧覚を中心に、受容器にどのような刺激を加えるとどのような信号が生じ、逆に、神経系にどのような信号を入力してやればどのような感覚が生じるか、というdecoding 則·coding 則について、いくつかの興味ある結果を得ているので、本稿ではこれらについて述べる事とする。