わが国におけるメディア·ドクターの意義 医療事故報道を中心に

摘要

科学的な医療記事の評価を試みるメディア·ドクター試行に参加した潅験をもとに，医療事故報道や医療行政に関する報道の評価を試みる"拡大版メディア·ドクター"を計画し行ってみた．メディアと医療現場の緊張関係の，もっとも強い領域に踏み込んだわけである．一連の経過を本稿にまとめたが，医療側の感想としては，過剰防衛的ともとれるメディア，そして患者支援者の方々の反応は予想を大きく超え，"疲れ"は強く達成感は小さかった．目線合わせを目的としたが，そのまだ前の段階であろう．台湾の与党民進発の総統候補の謝　 長廷氏は"対話に結論があるとは限らないが，緊張を和らげることはできる"，中台が結果を焦らず対話を繰り返すことが"台湾海峡の平和と安定につながる"と述べて，陳総統と一線を画した現実路線をとることを表明している．このようなスタンスで継続をしていきたい．継続は力なりである.