生物学的製剤によって関節破壊防止は可能か MRlを用いた評価

摘要

近年,関節リウマチ（RA）の早期診断．治療の必要性とともにMRJか注目を浴びている．MRIはX線では描出されない骨びらん，骨髄浮腫,骨膜炎を評価することか可能である．このため，これまでのX線を中心とした画像評価では解らなかった新たな知見が生まれてきており，そのひとつとして海床的に寛解の患者であっても9割の患者て活動性病変を認めるという事実かある．このように,MRlはRA早期診断·治療効果判定において非常に有用である蝋経済的理由，撮影施設が限られていることなとから，一般臨床では普及していないのか現状である．このため．低磁場で小型の四肢専用のMRl（コンハクトMRりか注目されており,当科でも筑波大学物理工学系と共同て開発中てある．治療面では抗TN-α抗体をはじめとする生物学的製剤により劇的な臨床効果か期待できるようになった．生物学的製剤には従来の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)よりはるかに強い骨破壊抑制作用や．臨床効果とはかならすしも相関しない骨修復作用も報告されている．また．寛解患者におけるMRl所見を生物学的製剤を使用している患者と従来のDMARDsを使用している患者とて比較した報告では．生物学的製剤使用群で活動性病変を認める頻度か明らかに低いことが報告されている．したがつて,今後MRlがリウマチ診療に広く普及し疾患活動性か正しく評価可能となれは．生物学的製剤を含めた適切な治療を行うことで関節破壊防止か可能となることか期待される．