インターネットによる医療相談の可能性-小児科における相談の実際と問題点

摘要

少子化·核家族化などにより，小児科領域においても医療相談·育児相談の需要が増している．そのなかで，普及してきたインターネットを用いた医療相談も広く行われてきている．E－mailやホームページ（HP）を利用したものが主体であるが，これらは利用者にとっては気軽に利用されうる反面，医療側にとっては内容に対する責任上緊急的な内容への対応，採算と労力などが問題となっている．E－maiほどを用いた応答型の医療相談を行うことは非常に手間がかかるが，相談内容をデータベース化して充実した"よくある質問（FAQ）集"を作成したり，一般向けの診断手引きを掲載したりすることによって，直接相談の件数を減らし負担を軽減することが期待できる．インターネット上で医療情報を公開する際にはEBM（evidence based medicine）に基づく情報を提供することが必要であり，患者のプライバシーやその情報の与える影響について配慮することを忘れてはならない．