医師側からみる医療訴訟 医療と司法の隔たりを感じて

摘要

産科,小児科,外科,そして内科にまで及ぶとされる深刻な医師不足が生じ,各方面で医療崩壊という言葉が唱えられるようになって久しいが,その要因のひとつとして医療事故の取扱いが大きな影を落としており,現場の医師にとっては非常に厳しい情勢である.そして,このような深刻な事態について考えていると,ときおり医学的解釈と司法的解釈との間に大きな隔たり?隔絶を感じることがある.