冠動脈MRAの進歩

摘要

冠動脈は血管径か細く,呼吸や心拍動とともにたえす動いているために,画像化するうえで非常に困難な対象である.現在,非侵襲的な冠動脈イメーシンク法として.冠動脈MRアンキオクラフイ(MRA)とマルチスライスCTを用いた冠動脈アンキオクラフィか注目されている.冠動脈MRAはCTと比へて, ①放射線被曝かない, ②心拍内の時間分解能か良好てあり.心拍変動による影響か少ない,③冠動脈高度石灰化症例ても狭窄内腔の描出が妨けられない,④造影剤を必要としない,といった利点を有する.しかし従来,冠動脈MRAの撮影には手間と時間かかかり冠動脈遠位部の描出能も不分であったため,臨床的な利用は限られていた.最近になって,whole heart coronary MRAとよはれる新しい高速損影法か開発され,より簡便でより短時間に冠動脈全体を含む高分解能MRAを撮影できるようになってきた,冠動脈MRAはいよいよルーチン検査として利用可能な段階に進みつつある.本稿では冠動脈MRAの撮影方法,これまでの研究報告における診断的有用性,whole heart coronary MRAを用いた冠動脈MRAの現状について述へる.