抜歯とトラニラスト内服が有効であったMelkersson-Rosenthal症候群の1例

摘要

Melkersson-Rosenthal症候群は,再発性口唇腫脹,顔面神経麻痺,皺襲舌を3主徴とする神経·粘膜·皮膚疾患である. 1928年にMelkers-sonが再発性顔面神経麻痺と口唇腫脹を伴った症例を報告したのに始まり, 1931年にRosenthalが上記の症状に皺襲舌の記載を加えた.その後,1949年にLuscherがMelkersson -Rosenthal症候群という病名を初めて提唱した.実際には,70%程度の症例が肉芽腫性口唇炎のみを呈するといわれ,このため欧米では肉芽腫性口唇炎とMelkersson-Rosenthal症候群は同義語として扱われる傾向にある.