人間ドックにおける潜在的な睡眠時無呼吸低呼吸症候群のスクリーニング

摘要

人間ドックでは有病率の高い疾患,とくに生活習慣病のスクリーニングを主に行っているが,これら疾患の診断や治療においてその関連疾患を同時にスクリーニングする意義は大きい.例えば,従来の高血圧はその10%が腎性高血圧,残りの90%は本態性高血圧と分類され,後者は降圧剤の内服による管理に頼らざるを得ない状況があった.しかし近年,閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(obstructive sleep apnea hypopnea syn-drome : OSAHS)が高血圧症の独立した危険因子であることが明らかになり, OSAHSを合併する高血圧患者に対する鼻CPAP治療により,多くの症例で降圧剤の中止ないしは減量が可能であり,内服薬の多剤併用によっても血圧コントロールが困難であった症例の血圧安定が報告されるようになった.