在宅緩和ケア／在宅終末期医療

摘要

在宅緩和ケアは，最も患者目線のケアが求められる領域である．療義の中心的な湯が自宅ということもあり．開業医が担うことが必然となる．一方で，専門性の高い領域であり,プライマリ·ケアとして．すべての患者に看取りまで継続的にかかわることは困難である．プライマリ·ケア医に求められるものは,症状緩和の基本的な技術·知識をもつことは前提となるが,さらに患者の病状を正しく認識して,　専門医に相談あるいは受診することの適否を判断できることである．そのためには,　患者あるいは家族が考えていること，苦悩していることを引き出し,受け止めることが必要であり,　悪者·家族とのコミュニケーション能力を高めることが要請される．緩和ケア以外の医療では，専門医に相談あるいは受診して問題解決をする場は病院である．在宅緩和ケアでは,その場が在宅であり,地域であることが基本である．患者の希望に沿って在宅療養継続の可能性を高くするために,一定の水準でがん終末期悪者を在宅で診ることのできる緩和ケア診療所（PCC）との連携が望ましい．在宅ケアおよび緩和ケアを統合した在宅緩和ケアの視点の基本概念を整理し,自身のもっている力．チームとしての力の限界を見きわめながら,　患者の希望に沿ったケアを提供することが．プライマリ·ケア医としての価値を一層高めることになる．