片頭痛の頓挫療法

摘要

片頭痛は，国際頭痛分類第2版（ICHD-II)から片側，拍動性，中等度?重度で，痛みのために日常 生活に支障をきたす辛い頭痛である.さらに悪心や嘔吐を伴うなどQOLに支障をきたすため，より 早く頭痛を頓挫させる必要がある.旧来から頭痛イコール鎮痛薬のイメージがあるが，2000年から わが国においても片頭痛頓挫薬として卜リブ夕ンが導入され，現在，自己注射薬，点鼻薬，経口薬（口 腔内崩壊錠）など10種類の製剤があり.患者のニーズに見合う至適薬剤の選択が可能になってきた.ICHD-IIに準拠して診断した当院の片頭痛患者は開院8年で9,186例であるが，トリプ夕ン使用の 2,323例の点鼻薬と経口薬の6製剤の有効性や副作用など5項目について相互比較を行った.その結 果，中等度?重度の片頭痛への卜リブ夕ンによる2時間以内の頭痛の消失率は，72.5~89.3%。であ り満足度も同様の結果であった.欧米の大規模比較試験においてもその有効性と安全性が確立されて おり，片頭痛の頓挫薬として卜リブ夕ンを第一選択薬とすべきと考える.