移行期医療のモデルケース

摘要

当院では，小規模病院であるがゆえに，他施設とは異なる診療体制のもとで移行期医療をとくに支障なく実現可能にしていると考えている.近年，各種の学会で移行期医療の問題·課題が論じられるようになつたが，当院においては，20年以上にわたって，移行期医療の問題を考える必要もなく経過している.これは，小兒科医あるいは内科医といった区別ではなく，さらには専門医としてでもなく，総合医としての感覚での医療を意識して実践しているに過ぎない.今回の提示がモデルケースかどうかは別として，少なくとも，「患者を診る」という観点からは，小児科，内科の区別はなく，患者の訴え·問題点に一つひとつ自ら学習しながら靡えていくことか'必要であり，そのことで障壁は取り除かれるであろう.