化学療法抵抗性卵巣癌の局所免疫の解析に基づいた， がん免疫逃避を標的とした新規治療戦略

摘要

卵巣癌の本邦における年間罹患者数は約8,000 人，死亡数は4,000人と推計されており，罹患率お よび死亡率ともに増加傾向である.一般に卵巣癌の約70%が腹膜播種等を認めるIII·IV期の進行した状態で診断されることが多く ，その70%以上 が再発し，その後に化学療法に抵抗性となること が多いため，婦人科癌のなかでも最も予後不良で ある.タキサン製剤が登場したことによりプラチ ナ製剤との併用療法が標準的な化学療法となった が，進行卵巣癌に対して，腫瘍減量手術やこのプ ラチナ，タキサン製剤併用の化学療法を含む集学 的治療により，5年生存率は約30%と短期予後は ある程度改善されたものの