慢性膵炎に対する治療は内視鏡的治療の進歩により大きく変化している.以前は日常生活指導や消化酵素薬投与などの保存的治療で痺痛が改善しない場合に外科的治療が選択されていた.現在では保存的治療が無効な場合には内視鏡的治療が第1選択とされ,疼痛が消失する例も多い.しかし,内視鏡的治療が困難あるいは無効例,難治性の貯留嚢胞や膵性胸水·腹水,胆管狭窄,十二指腸狭窄などの合併症を伴う症例,膵癌を否定しきれない症例などに対しては依然として外科的治療が必要とされている.外科的治療による慢性膵炎の痔痛消失効果は高く,内視鏡的治療の効果が少ない場合には患者のquality of lifeや社会復帰の観点から早期に外科的治療を考慮するべきである.
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