経肛門的イレウスチューブが有用であったOgilvie症候群の1例

摘要

Ogilvie症候群とは，器質的な狭窄の認められない結腸の急性仮性閉塞で，機械的イレウス症状を呈する疾患である．今回，われわれは経肛門的イレウスチューブが有用であったOgilvie症候群の1例を経験したので報告する．患者：33歳，男性 既往歴：1995年にイレウスの診断で他院に通院し，保存的治療で改善した．現病歴：2004年3月15日朝から下腹部痛を認めたが我慢していた．午後から痛みはしだいに強くなり，自宅で様子をみていたが，痛みの軽減がみられないため，同日の夕方に当院を受診した．入院時現症：腹部膨満は著明で蛙腹を呈し，腹部全体に圧痛を認めた．打診で腹部全体に鼓音を聴取した．検査成績：末梢血および生化学に異常値は認めなかった．