バイオマテリアル研究の黎明期から飛躍期にかけての私の軌跡Biomaterial Field of Dreams: Have Dreams Come True

摘要

1980年秋,私は米国の大学,企業研究所での約10年間の滞米生活を切り上げ,当時新設の厚生省第2番目のNational Centerである国立循環器病センタ一研究所に入所した.そこでは,人工臓器部から外科医の高野久輝(前副所長),妙中義之(現副所長),機械工学者の梅津光生(現早稲田大学教授),高分子化学の私,および,生体工学部からバイオメカ二クス専門の林紘三郎(北海道大学,大阪大学名誉教授,現岡山理科大学教授),電気工学専門の中村孝夫(現山形大学教授)で構成されている人工心臓プロジェクトに参加した.さらに,1982-:1983年にはバイオマテリアル専門の岩田博夫(現京都大学再生研教授),生体工学専門の高谷節雄(現東京医科歯科大学教授),外科医の中谷武嗣(現病院移植臓器部長)が参加し,現在大学で急増,している医ェ連携を20年以上前に先取りしたことになる.