院内感染で注目すべき病原体と対策-特に手洗い，マスクの重要性について－

摘要

本邦でも院内感染対策の重要性が認識されるようになり大分時間が経過した。 初期は米国をはじめとした欧米でのマニュアルの導入が中心であったが，マニュアルには政策（特にワクチン）や現地での感染症流行等を反映させる必要があるため，感染症専門医療情報の提供·疫学·教育·院内感染防止策の実施等を平行して行いつつ常に本邦にあった改訂が必要とされる。 時にはアウトブレイクの防止·対応を迫られることもあるが，手洗いおよびマスクの重要性は感染症の根絶が図られない限り不変であろう。