Fluorodeoxyglucoseを用いたpositronemission tomographyによる肺野末梢腫瘤影の診断

摘要

確定診断のついていない直径3cm以下の肺腫瘤陰影の患者23名に対し，~（18）F fluoro－2－deoxy－D－glucose（FDG）を核種に用いたpositron emission tomography（PET）を行い，その有効性について評価した．PET検査では，FDG集積の有無を定性的及び半定量的に分析した．胸腔鏡下手術を16名，CTガイド下経皮針細胞診を3名，及び気管支鏡下擦過細胞診を4名に行い，組織学的に確定診断を得た．結果は肺癌が16名，良性腫瘍が6名，悪性リンパ腫が1名であった．FDG陽性を悪性とした場合，sensitivityが88％，specificityが67％，accuracyが83％であった．Falsepositiveが2名（慢性器質化肺炎と原発性肺クリプトコッカス症）に，falsenegativeが2名（成長の緩やかな腺病と悪性リンパ腫）に認められた．肉芽腫性病変で2名のfalsepositiveがあったものの，FDG－PETは肺癌の検出にぉいて高い感度を有していた．診断未確定の肺腫瘤陰影の治療方針決定に際し，FDG－PETは有効な画像診断法である．