解剖学的二重束膝前十字靱帯再建術における後外側線維束の大腿骨骨孔作製方法が臨床成績に与える影響-transtibial法とfar anteromedial portal法の比較

摘要

目的：解剖学的二重束膝前十字靱帯（ACL)再建術における二つの後外側線維束 (PLB)大腿骨骨孔作製方法（transtibial法とfar anteromedial portal法）が臨床成績 などに与える影響について検討すること.方法：Transtibial法でPLB再建を行った22例とfar anteromedial portal法で PLB再建を行った28例を対象とした.前内側線維束は全例far anteromedial portal法 で作製した.Far anteromedial portal法でのPLB大腿骨骨孔作製は膝最大屈曲位で行った.結果：Far anteromedial portal法のPLB大腿骨骨孔長(32.2 mm)はtranstibial 法の骨孔長（39.0mm)より有意に短かった.PLBのEndoButton (Acufex ： Smith & Nephew社，Mansfield)の位置は，far anteromedial portal法ではtranstibial法に比 ベ有意に後方?末梢側でった.KT-2000による患健側差では両群間に有意差はなかつ た(far anteromedial portal法：0.7mm, transtibial法：0.9mm). Lysholmスコア とピヴォットシフトテス卜においても両群閭に有意差は認めなかった.結論：Far anteromedial portal法でのPLB大腿骨骨孔作製では，transtibial法と 比較し骨孔長が有意に短く， EndoButtonの位置は後方?末梢側となっていたが.両群 の臨床成績に差はみられず，両群とも良好な結果であった.