進行性軟部肉腫に対するパゾパニブ塩酸塩の治療効果と有害事象

摘要

パゾパニブ塩酸塩は，悪性軟部腫瘍に対して本邦ではじめて認可された分子標的薬であり，2012年11月より 市販されている.血管内皮細胞増殖因子（VEGF)受容 体，血小板由来増殖因子（PDGF)受容体および幹細胞 因子受容体（c-Kit)の作用を阻害するマルチキナーゼ 阻害薬であり，悪性軟部腫瘍において腫瘍細胞の増殖に かかわる血管新生を阻害することによって，抗腫瘍効果 をもたらすしかし，本邦ではどのような症例に有効 であるか，またその副作用の種類や頻度についてはいま だ明らかではない.本研究の目的は，進行性軟部肉腫に 対するパゾパニブ塩酸塩の治療効果および有害事象について検討することである.