ラジオアイソ卜ーブ(RI) ·色素併用法による胃癌センチネルリンパ節生検手技と臨床応用

摘要

センチネルリンパ節(sentinel node ； SN)における転移の有無を術前または術中に診断し，転移のない症例に対して，リンパ節郭清範囲の縮小や省略，さらに切除範囲の縮小を行う術式は， SN誘導手術(SN navigation surgery ； SNNS) と呼ばれており，乳癌やメラノ-マでは日本も含めて世界的に行われている。一方，消化器癌の領域では，食道·胃·大腸癌においてSN理論の検証や，臨床応用に向けての準備が行われている状況である。胃癌は消化器癌のなかで，もっともSNNSの研究が進んでいる分野で，これまでの単施設からの報告では，SN同定率は90-100%,転移検出感度は85-100%と良好な成績が示されている。これらの成績をもとに，早期胃癌におけるSN理論を検証するため，2つの大規模多施設共同研究が行われた。