ァレルギ一性接触皮膚炎の原因物質とその臨床的特徴

摘要

皮膚に抗原が接触することで生じる湿疹反応は発症 の経緯や臨床経過について患者からの訴えを慎重に聞 きだし，あるいは典型的な臨床症状であれば，誰にで も診断し得る疾患のはずである.しかし日常診療では 接触源が取り除かれないまま治療が先行する状況が続 くことも多々ある様で，皮膚症状を重症化させ全身反 応に伸展してしまうことがある.接触皮膚炎を正確に 診断するには注意深い問診，接触源による種々の臨床 像を把握し，種々のタイプの皮膚検査を実施すること が要求される.問診は患者のアレルギー歴について， すなわち過去の皮膚炎ゃ蓴麻疹，鼻炎，喘息の治療歴 について家族歴とともに詳細に聞き出す.現在の皮膚 症状の発症時期，思い当たる原因物質の有無，増悪因 子の有無，就業との関与などについて可能な限りの情 報を得ることが接触皮膚炎の診断に繋がる.