転移性脊椎腫瘍に対する放射線治療肺癌転移例と他の腫瘍における治療効果の比較

摘要

転移性脊椎腫瘍の脊柱管内進展は脊髄を圧迫し, 麻痺を生じさせるため緊急放射線照射の対象となるが，放射線治療効果について緒家よりいくつかの予後因子が報告されている。そのなかには，原発腫瘍による因子として，肺癌による転移性脊髄圧迫は他の腫瘍からの転移と比較して治療効果が不良であるとの報告がみられる。実臨床においても，肺癌からの脊椎転移において十分な症状改善が得られない症例を経験することはまれではない。そこで我々は原発腫瘍による筋力改善効果の差の有無を肺癌転移症例とその他の癌症例について比較検討したので報告する。