博士論文特集にあたって 一博士論文に見る研究テ一マの動向一

摘要

本学会では,毎年1月号の本特集で,過去1年間に 人工知能に関連する研究で博士の学位を授与された方々 の博士論文の概要を紹介させていただいている.このょ うな特集の企画意図の一っは,異なる世代の研究者間の 交流やAI分野の研究動向把握のための機会を提供する ことである.博士論文は,若手研究者にとって最初のま とまった研究成果であるため,上の世代の研究者との交 流を図るうえで格好の材料になり得ると思われるがそ の具体的な内容は,部分ごとには学術論文として発表さ れているものの,それらをもとにした博士論文全体とし てのスト一リ一までを把握することは難しい.かといっ て,博士論文自体が関連研究者の目に触れる機会も多い とはいえない.一方,若手研究者が新規に手掛ける博士 論文の研究内容は,当該分野における最先端の研究テ一 マとなっている場合も多く,上の世代の研究者にとって も,その概要を把握できることは,分野全体の研究動向 を知るうえで有用と思われる.以上のょうなことを考慮 して,本特集では,AI分野の将来を担う若手研究者の 博士論文の概要を,プロフイ一ルとともに掲載させてい ただいている.