VRMAC：可視光通信を用いた無線メディアアクセス制御－VRMAC対応WLANシステム同士の共存に関する検討

摘要

無線LANのメディアアクセス制御方式であるCSMA／CA（Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance）は，端末が多数存在する環境では，フレーム衝突が頻発しスループットが大きく低下する．我々はこの問題を解決するため，カメラとLEDを用いた無線メディアアクセス制御としてVRMAC（Visual Recognition Multiple Access Control）を提案している．VRMACでは，LEDを送信機，カメラを受信機とした可視光通信を無線LANのアクセス制御用チャネルとして用い，端末からのアクセス要求情報を無線LAN基地局に集約し，集中的に送信機会の割当を制御することで衝突を回避する．従来の検討では，VRMACを用いた無線LANが単独で存在する場合を想定しており，同一チャネルを利用するVRMAC無線LANが複数存在する場合には基地局同士の競合によりスループットが低下する．本稿では，複数のVRMAC無線LAN存在時の基地局間の競合回避方式を提案する．提案方式の特徴は複数AP間を接続する有線LANにIEEE 1588規格を用い，AP間の時刻同期を利用することにある．シミュレーション評価によって従来の無線LANと比較してスループットが33％改善することを示す．