スパイダーコイルを用いた人工心臓用経皮エネルギー伝送システム－コイル間の結合度改善に向けた内外直径比の検討

摘要

体内埋込型人工心臓への給電方法として，感染症やQOLの観点から電磁誘導を用いた経皮電力伝送技術は有用である．コイル間の伝送効率改善のため，線間容量の小さいスパイダーコイルの検討を行ってきた．さらなる改善には，皮膚によりコイル間に生じる間隙による結合度の低下が課題となる．そこで本研究では，スパイダーコイルの一次側の内外直径，二次側の内外直径の4種類の値を変化させることで結合度の向上を図った．二次コイルの直径は体内に埋め込むことを考慮して50mmとした．その結果，一次コイルの内直径＝20mm，外直径＝65 mm，二次コイルの内直径＝13mm，外直径＝50mmのとき最大結合値0.37を得た．