原子力の本質を探る－第11回－自ら整合性のある原子力システムとは

摘要

「原子力の本質を探る」というタイトルで前回まで書き進めてきたが、その主題は化学反応エネルギーから核反応エネルギーへの緩やかな転換期にあって、原子力利用の研究開発とその利用実績を踏まえてどこを目指して進んでいるのかという展望であった。原子炉の中での中性子による核反応は、核反応エネルギーと様々な物質創成の核変換であり、これまでの一〇回にわたる記載を踏まえて、これから、「自ら整合性のある原子力システム（Self-Consistenntent Nuclear System-SCNES）」への道を探っていくことにする。