拡大する中国及びインド市場における日本企業の課題と対応：中国のロボット事情

摘要

「世界の工場」と呼ばれる中国には，多くの海外企業が進出しているが，その形態がこの10年で大きく変化してきた。10年前ませ，中国に進出してきた外国企業の多くは松岸地域の関税保税区に工場を作り，海外から材料を持込み安い人件費を利用して製品に加工し，その製品をまた海外に出荷しており，中国国内を市場として見ていなかった。 海外から持込まれた設備にロボットが使用されていることもあったが，決して多い台数ではなかった。 しかし，この10年の間に，中国国内を市場と見る海外企業が急激に増え，関税保税区ではない場所に工場を建て，製品を中国国内に出荷し始めた。 これらの企業の内，特に自動車メーカや家電製品メーカが，生産量確保と品質安定の両面からロボットの採用台数を急速に増やしてきており，既に中国は重要なロボット市場になっている。