排出権取引の現状とクレジットメカニズムの将来－米国の取り組みを中心に

摘要

いわゆるオフセットメカニズムは、比較的費用対効果が高く、自国目標のために資することができるとして京都議定書に参加している先進国（主として欧州連合[EU]と日本）で活発に利用されており、京都議定書に参加していない米国においても法案の一環としてさまざまな議論が進行している。現在は、京都議定書に基づくクリーン開発メカニズム(CDM)や共同実施(JI)が盛んであるが、これまで、時に市場環境·市場参加者によって大きく左右され、市場は不安定な動きを示している。その中から新たなクレジットメカニズムを生み出そうという考えが国際的に動き出しているので簡単に論じたい。