取材で知る住民の心の傷と現場の人々の思い

摘要

昨年、原子炉の臨界を制御する制御棒の脱落事故隠しをはじめ、電力会社の原子力発電に関する膨大な不祥事が明らかになった。 中でも、北陸電力志賀原発1号機で九九年六月、一五分間臨界状態に達し、東京電力福島第一原発3号機でも七八年一一月、最大七時間半にわたり臨界状態になっていた可能性があるという発表には衝撃を受けた。それまで国内初の臨界事故は、九九年九月に茨城県東海村の核燃料加工施設「JCO（ジエー·シー·オー）」東海事業所で起きた事故とされていた。 だが実際には、それ以前に二件もの事故があり、隠され続けてきた。