外部機関との原子炉共同利用による研究活動と学生実習

摘要

近畿大学原子炉（UTR-KINKI）は、日本における民間原子炉第1号であり、教育·研究用原子炉としてこれまで五〇年間にわたって利用されてきた。現在では、国内に残る二つの大学原子炉のうちの一つとして、京都大学の原子炉とともに日本の原子力教育を支えている。近畿大学原子炉の最大の特徴は、熱出力が一と極めて低いことである。原子炉運転中であっても炉心への接近が可能なため、教育や研究での利用を大変容易にしている。また、同じ理由からウラン燃料の燃焼もごく微量であり、燃料中の核分裂生成物の蓄積が少ないため、燃料体の放射能も非常に弱く、取り扱いが容易である。