《特集-RTのオープン化》：RTにおけるオープン化のポイント

摘要

ロボット工業会が平成12年度に行った21世紀におけるロボット社会創造のための技術戦略調査では，「ロボットからRTへ」という新機軸が打ち出された。 これは，ロボット産業の新たな発展のためには，形としてのロボットにこだわらず，ロボットに関わる技術を用いて生み出しうる様々な新製品を工夫することが重要，という考察に基づいている。 そして，この，形としてのロボットそのものに限定されず，広くロボットに関わる技術に基づく新産業を提唱しようという観点から，ロボット技術の英訳"Robot Technology"の頭文字2文字をとって「RT」という新語を作ったのであった。 もうひとつ，この戦略調査で提唱されたのが「オープン化」である。 これはIT産業では，OS，ネットワーク，コンピュータバックプレーンなどさまざまな共通技術基盤の上で，多数の企業が競争的に製品を市場に送り出し，それによって価格の引き下げ，技術の向上などが刺激され市場の活性化に繋がっているという状況をお手本にしようというものである。 一方で，RT分野にはIT分野にない，RT固有のアプローチがあると考えられる。 以下，それを考察してみたい。