「放射線」を刺激語とする反応語の分析の試み－小学校6年生に対する放射線授業の直前直後の連想検査結果をもとに

摘要

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により，原子力発電の危険性と放射線，放射性廃棄物処分問題が明るみに出た．我々は放射線について正しく知る必要がある．しかし，日本の義務教育において放射線教育は十分になされていないのが現状である．本研究は，2011年9月より日本各地の小中学校において継続して実践している放射線リスク教育の特に小学校6年生に焦点を合わせた分析結果である．放射線授業の前後に行った連想検査の結果を，反応語を分類し数える事で分析を試みた結果，児童は新しく放射線の知識を学び，学んだ知識が放射線に対する印象に影響を与え，放射線リスクを客観的に捉える事が可能になった．また，放射線リスク教育実施により，被災地域と非被災地域の児童の放射線に対する印象の距離感が縮んだ傾向が見られた．本発表では，更に分析方法と評価基準，評価方法を探る事を目的とする．