簡易な回路構成の結合回路を用いたPush-Push発振器アレー

摘要

近年，ITSなどに用いるレーダー用の技術として，簡易な構成でビームステアリングを行うことができる発振器アレーの研究が行われている．ここでは，低コストで高周波信号を発生できるPush-Push発振器とHEMT を用いた簡易な構成の結合回路によって構成される発振器アレーを提案している．結合回路はHEMTとそのバイアス回路，伝送線路のみで構成され，大変簡易な構成となっている．HEMTの端子容量をバイアス電圧で変化させることで，発振器の出力位相差を可変化している．今回，二つのPush-Push発振器をアレー化し，基本動作の確認を行った．その結果，15.4GHzで114°の大きな出力位相差可変性を実証することができた．