衛星通信を用いたマッドロギング·データのリアルタイム伝送

摘要

一般に坑井掘削では、坑壁を保護し、ビットにより粉砕された岩片（カッティングス）を坑内より排出する目的で掘削泥水が用いられる。掘削中は地表に設置された泥水ポンプよりドリルパイプを介して連続的に泥水を坑内に送り込む。ビットより坑内に放出された泥水はカッティングスを始め地層ガス、地層水などを含んだ状態で坑内を上昇し地上に到達する。このような地下情報を含んだ掘削泥水を掘削深度に対応させ連続的に調査、分析し坑内情報や地質情報を得る手法を泥水検層（マッドロギング）と呼ぶ。マッドロギングは石油開発の一部門として発展してきた技術である。地下情報を得る以外に、掘削リグの各所にセンサを取り付け掘削時の機器の稼働状況をモニタリングすることにより、安全、効率的に掘削を行なうことを可能にする。現在では石油·ガス井の掘削のみならず地熱開発や学術掘削等、広い分野で用いられている。