ビル電気設備の環境配慮：CASBEE（建築物総合環境性能評価システム）によるビル電気設備の評価

摘要

建築物総合環境性能評価システム(CASBEE: Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency)は，建築物を環境性能効率で評価·格付けする手法であり，国土交通省の主導の下に産官学で組織された日本サステナブル·ビルディング·コンソーシアム（委員長：村上周三慶應義塾大学教授，事務局：（財）建築環境·省エネルギー機構）で開発されてきた。 CASBEEの特徴は，(1)建築物のライフサイクルを通じた評価ができること，(2)「建築物の環境品質·性能(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面から評価すること，(3)環境効率(Q/L)の概念に基づくBEE（建築物環境性能効率，Building Environmental Efficiency）の大きさに応じて，Cランク（劣る）からSランク（素晴らしい）までの5段階で格付けできる点にある。 CASBEEの急速な普及に伴い，電気設備技術者もCASBEEにかかわる機会が今後増えるはずである。 このため，本稿ではCASBEEの概要と電気設備とのかかわりを解説する。