乗用車用可変動弁系の動向

摘要

乗用車用エンジンは，運転の楽しさと環境対応の両立が求められる。 近年環境保護が叫ばれ，環境対応とエンジン出力の両立に対する要求が従来以上に求められている。エンジンのガス交換を制御する動弁系は，エンジン性能におよぼす影響が大きく，古くから可変化の研究がなされてきた。しかし当時は，動弁系形式変更による性能向上の余地が大きく，最良の動弁系形式である，DOHC4バルブが一般化してきた20年程前から，可変動弁系の採用が開始された。 当初は限定的な採用であったが，現在ではほとんどのガソリンエンジンに搭載されるほど，一般的な技術に成長してきた。 また，各種性能両立性の高度化と共に可変化自由度も高度化され，現在では可変動弁系で，全運転条件の吸気量制御を可能とするエンジンも出現している。 本稿では，乗用車用可変動弁系の性能効果と代表的な可変機構について紹介していく。